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青山 誠; 山川 考一; 赤羽 温; Ma, J.; 井上 典洋*; 上田 英樹; 桐山 博光
Optics Letters, 28(17), p.1594 - 1596, 2003/09
被引用回数:263 パーセンタイル:99.25(Optics)チャープパルス増幅法(CPA法)の進展により、近年、極短パルス・超高ピーク出力レーザーの性能は飛躍的に向上しており、10W/cmを超えるレーザー集光強度が達成されている。実験室サイズのレーザーシステムで、より高いピーク強度を達成するために、われわれはペタワット(PW)チタンサファイアレーザーシステムの開発を行っている。この達成のためには大口径チタンサファイア増幅器における寄生発振の抑制と理論限界での高効率増幅、そして30fsまでパルス幅を再圧縮する技術の開発が不可欠となる。本PWチタンサファイアレーザーシステムは、これまでに開発された100TWチタンサファイアレーザーシステムから得られるレーザー光を直径8cmのチタンサファイアブースター増幅器によりPWレベルまで増幅するよう構成されている。このような大口径増幅器で高効率増幅を達成するには、寄生発振の制御が不可欠となり、このためチタンサファイアと同等の高屈折率(n=1.7)を有する熱可塑性プラッスチックを結晶の周囲にクラッディングとして用いる技術を開発した。その結果増幅実験では、励起エネルギー65Jに対して37.4Jを達成した。ここで得られた増幅効率はグリーン光で励起されるチタンサファイア増幅器の理論限界に及ぶ。また、パルス圧縮後に30fsのパルス幅を得るため、溝本数が異なる回折格子をそれぞれパルス伸張器と圧縮器に用いて、レーザーシステムの高次分散補償を行った。実験で得られたレーザー光のパルス幅は32.9fsであり、これによりピーク出力0.85PWを達成した。このピーク出力,エネルギーはチタンサファイア結晶を用いたレーザーシステムでは世界最高性能である。本システムの詳細な報告を論文に発表する。
青山 誠; 張本 鉄雄*; Ma, J.; 赤羽 温; 山川 考一
Optics Express (Internet), 9(11), p.579 - 585, 2001/11
被引用回数:22 パーセンタイル:70.19(Optics)チャープパルス増幅法により、超高出力フェムト秒レーザー光発生が可能となり高強度光電場と物質との相互作用の研究やX線発生等に関する研究が盛んに行われている。レーザーとプラズマとの相互作用研究においては、高効率にレーザーエネルギーを輸送できるなどの利点によりレーザー光の短波長化が求められている。さらに非線形結晶を用いた波長変換により、プラズマ実験で重要になるレーザー光のコントラスト比の向上が期待できる。今回、高強度レーザー光高効率波長変換を目指し第2高調波発生実験を行った。実験には厚さ1mmのKDP結晶(typeI)を用いた。また基本波レーザー光はチタンサファイアCPAレーザーシステムの前段増幅部を用い、中心波長とスペクトル帯域は再生増幅器中のスペクトルフィルターにより制御され、中心波長800nm,パルス幅134fsである。実験では強度が192GW/cmのときにエネルギー変換効率約80%が得られた。本結晶厚では、分散による第2高調波のパルス幅伸張はほとんど無視できる。本波長変換では複雑なレーザー制御を必要とせず、簡便なセットアップで高効率に波長変換を行うことができる。